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まるごと705NK―グローバルモデルのマルチメディアスマートフォン

献本御礼

今年の春だったか,「私の仕事の一部を本の中に掲載して良いですか??」という問い合わせを頂いたので,「ご自由に」と返事をしたところ本書を見本として頂きました.ありがとうございます.

さて,基本的に中に掲載されていることって言うのは,ネットで調べりゃ(すぐ,とはいかないものもあるが)わかることなんだけど,なかなか探すのって難しい.もちろん,ネットに慣れてる人だったら苦でもないんだろうし,むしろ楽しんでいじくれるんだけど,携帯電話を買う人の中には,「PC?インターネットって何?」って方々も多くいらっしゃると思う.そんな人にとっては,このように情報がまとまっていて,紙媒体で読める形ってのは,すごく便利なんじゃないかなーとか思う次第.

スーパーコンピュータを20万円で創る

正直に白状すると,タイトルに惹かれてこの本を買っちゃった.「これを読めば20万円でスーパーコンピュータが作れるのか?」って.でも,この本は,「コンピュータの作り方」が書いてあるのではなく,「俺たちは20万円でスーパーコンピュータを作ったんだ!」っていう内容の本だった.

まず,スーパーコンピュータって何だろう?スーパーコンピュータとはパソコン(パーソナルコンピュータ)に比べて処理能力が高く,科学技術計算とか,天気予報とか,自動車設計とかに使うような,スーパーなコンピュータのことです.そのまんまですね.

スーパーコンピュータって聞くと,地球シミュレータを代表とするように,大きな専用の部屋に置いてあって,いっぱいCPUが積んであって…ってのを想像しちゃうんだけど,そんなことじゃなくて,重要なのは計算性能.

現代のコンピュータって一言で言っても色々あるけれども,基本的にはノイマン型コンピュータであることが多い.ノイマン型コンピュータっていうのは,メモリの中にプログラムが保存してあって,そのプログラムの通りに処理を行う仕組みのこと.だからメモリの中身を変更することで,同じコンピュータでも異なる動作をさせることができるようになっている.

この仕組みのおかげで,私たちは同じパソコンで,インターネットをしたりワープロで文章を作ったり,ゲームをすることができるわけなんだけど,逆にいえば,色々なことに使えるように作ってあるから,仕組みも複雑だし,値段も高い,とも言える.

じゃぁ,もし,あることにしか使わなかったら?

特定のことにしか使えないコンピュータを作るとすればどうだろうか?たとえば,パソコンをスパイダソリティアにしか使わない人が居るとする.ほかの事には一切使わないし,使えなくていい.もし,そんな要求があったとすれば,スパイダソリティア専用機を開発することを考えてもいいと思う.もちろん,値段は通常のコンピュータよりも,格段に安くなるはず.

この本で述べられているのは,つまちこういうこと.

「重力計算用のコンピュータが欲しい」

それだけに使えればいいから,高速で安いコンピュータを開発しました,と.そして,開発の様子が本の中で描かれている.中を読むと,どうやらロジックICをユニバーサル基板上に並べてコンピュータを作ったらしいことが書いてある.ロジックICっていうと,最近はなかなかお目にかかることは少なくなったものの,性能は決して馬鹿に出来ないと思う.

最後に,私は最近基板上にロジックICを並べて多数の配線を行い,発狂しそうになった経験があるので良くわかる.このスーパーコンピュータは材料費は20万円かもしれないが,これを開発するために,伊藤氏のものすごい努力と苦労があったことが容易に想像できる.スーパーコンピュータを創るのは簡単ではないということを忘れてはいけない.

世界でもっとも美しい10の科学実験

美しい科学実験って何だろう?

このフレーズが気になるばかりに購入してしまった本.

そもそも私は,科学実験を美しいと思ったことがない.どんな科学実験が美しいかと考えたこともない.この本によると,その原因は社会的,文化的,哲学的に3つあるそうだ.

まずは社会的な理由であるが,科学者は客観的根拠に基づいて事実を述べると考えられているからだそうだ.

私も実験を行って論文を書くことがあるが,基本的には実験のデータを使って,それを出来るだけ客観的に記述する.実験に対して,そして結果に対して「美しい」なんていうのは論外である.

次に,文化的な要因である.これは学校における理科の教え方の問題だそうだ.ふと思い出せば,高専時代に数多くの実験(論理回路を用いたものや,アナログ回路やマイコンを用いたものなど)を行ったが,基本的にこれらは結果が分かっているものであり,授業の内容を深く理解するものである.そのため,学生は実験を「美しい」などとは思わないのだと思う.

最後は哲学的な理由であるが,これは「美は抽象的なものの中にしか存在しない」という偏見によるものらしい.確かに,数式やモデルといった抽象的なものと,機械や装置をいじくりまわす実験は抽象的ではなく,美とは結びつきにくいように思えるのかもしれない.

とはいえ,実験のどこが美しいかを言葉で説明するのは非常に難しい.ただ,ひとつ言えることは,私はこの本で紹介されている科学実験を知ることで,確かに「美しい」と感じた.過去の科学者がどのようにして実験を行い,どのような結果になったのか.結果だけでなく,実験の準備から初めて過程から見てこそ「美しい」と感じたし,過去の偉人に対して尊敬の念を抱かざるを得なかった.

新ウェブ・ユーザビリティ

Webユーザビリティといえば,ニールセン先生.

どうやら,ユーザビリティの世界で働く人にとっては,ニールセン先生とノーマン先生は偉大な2人ということらしい.この本は,そんなニールセン先生のウェブユーザビリティに関する本.

内容はといえば,ユーザビリティに関することなんだけど,今までの先生の本(というか彼の主張はいろんな本で取り上げられていたりするんだけど)の内容と,かなり重複する部分があるのは否めない,ただし,これからユーザビリティの勉強をしようとか考えている人に取ったら,中にはWebサイトの写真も多く使われていて,実例をもとに,これはココが悪いとか,これはココが良いとか説明をしてくれているので,非常にわかりやすいんじゃないかと思う.

また,この本で取り上げられている内容としては,Webサイトを何らかのビジネスに使っている人を対象に書かれているようなイメージがある.というのは,サイトにユーザが何かの目的をもって訪れることを前提に書かれているような気がするから.

まぁ,もともと個人サイトでユーザビリティを気にする人も少ないとは思うんだけど.

ヤコブ・ニールセンのAlertbox -そのデザイン、間違ってます

ヤコブ・ニールセンによるコラムを本として出版したものらしい.

だから,ネット上で読めるといえば読めるのだが,個人的には文章を読むときに紙に勝る媒体はないと考えているので,つい買ってしまった.後悔はしていない.

こんな言葉が,本の帯に書いてある.

Googleは騙せても,ユーザは騙せない

でも,このフレーズ,なんかおかしい.SEOに力を入れると検索エンジンで上位表示することはできても,Webサイトの存在目的は検索エンジンに表示されることじゃないですよね?っていう意味なのかもしれない.別におかしくはないんだけど,本の内容と異なる気がするのです.

この本の内容は,一言で言うならば,ユーザのことを考えてデザインしなさいって言うこと.

例えば,かっこいいFlashだとか,アニメーションっていうものはユーザにとって魅力的に見えてしまうかもしれないけど,実際に使いやすいかと言うとどうなんだろう?って言う話.

確かに数年前,書店のコンピュータの専門書コーナーでWebデザインに関する本をパラパラとめくってみると,ド派手なサイトが紹介されていたり,ド派手なコンテンツの作り方の解説が載っていたように思う.ただし,最近はあんまり本屋に行ってそういう本を見ないのでわからないので,どういう流れになっているのだろうか.

量子が変える情報の宇宙

神はサイコロを振らない?

実際はどうか知らないけれども,量子力学の世界では,神はサイコロを振ると考えられています.ていうか,結果が決まり切っている世界なんて,面白くないよね.

この本は,ビレッジバンガードに置いてあったので,ついつい手に取っちゃったんだけど,専門書というよりは読み物です.実際読んでみて,すごく面白かった.

シャノンやモールス,ボルツマンやベイズなど,偉大な先人たちが情報工学の分野にどのような貢献をしたかだとか,そういう歴史を知ることには,昔は全然興味がなかったんだけれど,最近は別に情報工学の分野に限ったことじゃないけど,歴史って面白いなーって思うようになった.というのも,先人たちの考え方や生き方には学ぶ点っていうのもいくつもあるし,それらを知ることで,その考え方のもとになるものを知れるような気がするから.

この本のテーマである,ザビッグクエスションの「ITはBITからなるか」とは何かってのはすごく奥が深い.実際,情報情報ってこれだけ叫ばれているにも関わらず,情報工学って胡散臭さの塊の気さえするのです.それは同時に,情報って分野の面白さを表していると思うんだけど.

実際,あんまり難しい話は出てこない(数式とかは一部出てくるけど)し,エントロピーとか確率とかランダムの話をすごく直感的に説明しているので,情報が専門じゃない人でも楽しめると思う.本の中で取り上げられている内容も,情報の話だけじゃなくて,モールス符号の割り当てがどのようにきまったかとか,クイズ番組でどのようにすれば商品を貰う確率が高くなるかとか,雑学っぽい内容も含まれているので面白い.

参加型の宇宙,楽しいじゃないですか.

あなたはコンピュータを理解していますか?

Amazon怖い.何が怖いっていうと,「この商品を買った人は,こんなものも買っています」ってのが怖い.あれ,ついつい買っちゃうんだよね.

最近,ユーザビリティ関係の本ばかりを買っていたせいなのかどうなのか,私には判断しようがないのだが,こんな本が推薦されていた.

宣伝文句は「日本一わかりやすく,読みやすいコンピュータの本」だそうだ.

まぁ,実際読んでみた.読みやすい.それは間違いないと思う.

コンピュータサイエンスの分野で出てくる,エントロピーとか.情報量とか,標本化定理とか,有限のオートマトンとか,そういった基本を,例を出しながら説明してくれるので,なんとなくわかった気になってしまう本.

ただ,これって実は,ある程度情報の分野を学んだ人が読んだ方が面白いんじゃないか?って思った.「あぁ,これってこういうことなのね」って今更ながら思ったり,「いや,その説明はおかしいだろ?」って一人で突っ込んでしまったり,個人的には面白かった.

そもそも,情報を学んだことのない人が,この本を理解できるかは,謎です.コンピュータがプログラムを実行する方法を曖昧にしか説明してないのに,プログラムカウンタがいきなり出てくるところなんて,なかなか理解できないんじゃないかとか思う.まぁ,理にはかなってるし,他に良い方法があるか?って言われても思いつかないんだけど.

ただ.あとがきにも書いてあるように,コンピュータに興味の無かった人がこの本を手にしたことで,コンピュータって面白い!って思えるのなら,この本は良い本なんじゃないだろうか.いままであんまり考えたことなかったけど「本を書く」ってことにはビジョンが必要なんだな,と感じた.この本で読者に何を伝えたいか,何のために本を書くのか.「本を書く」ことに限ったことじゃないんだけど,何かをするためには常にビジョンを意識したいと思ったり.

アンビエント・ファインダビリティ

アンビエント・ファインダビリティとは何なのか?このタイトル,わかりやすいようで,何のことなのか,まったくわかりません.

ファインダビリティはわかる.どう考えてもFind-abilityでしかない気がする.見つけやすさとか,そんな感じ.アンビエントもわかる.ambientでしかない気がする.で,アンビエント・ファインダビリティになった瞬間,意味がよくわからないような気がする.

ただ,これについては,最後の最後に「あぁ,なるほど.アンビエントなファインダビリティってそういうことなのね」と思ってしまう記述があった.

情報化社会が叫ばれて久しいのだけれど,本当に社会は便利になっているのか.本当に必要な情報にアクセスできているのか.そして,現在,どのようなテクノロジやメカニズムで情報を整理,分類しているのか.

実際問題,コンピュータを使った情報化社会なんて洒落た社会で生活しているのは人間ぐらいなもので,他の動物はコンピュータなんか使ってない.にもかかわらず,必要な情報にアクセスし,活用している.ムーアズの法則でもあるように,情報は多ければ良いってもんでもないし,少なければ良いってもんではない.

適切な判断を行うためには,適切な情報量が必要であり,適切な分量の情報を得るにはどうすればよいのか?そして,こちらがWebサイト作成者などで情報提供者になる場合,どうやってユーザに適切な量の情報を提供すればよいのか?

こんな,考えてもキリのないような問題に対して,いろいろな角度から分析を行われており,非常に興味深い本.

コンピュータに関する技術的な知識がなくても,最近のテクノロジに興味があれば楽しめると思う.

こんなデザインが使いやすさを生む―商品開発のためのユーザビリティ評価

例の,ノーマン先生の「誰のためのデザイン?」の実践とも言える本.事実,この本の中でも何回か「誰のためのデザイン?」に触れている.

この本では,ユーザビリティ評価やユニバーサルデザインについて三菱電機の製品開発での実例を挙げて説明を行い,実験や評価の仕方について説明している.たとえば,利用者を誘導するナビゲーションや,携帯電話インタフェースなどの実例を挙げて,現状調査から評価までを説明している.

また,本の中には,ユーザビリティの評価に使えそうなチェックリストなども書かれているので,実際の製品開発時の参考になるかもしれない.ただし,実例は面白いんだけど,ただそれだけの本になっているのがちょっと残念かも知れない.

エモーショナル・デザイン―微笑を誘うモノたちのために

またもや,ノーマン先生本.

前作である,誰のためのデザイン?では徹底的にユーザビリティについて論じていたのだが,デザインを考えるときに使い勝手も大事であるが,楽しさという要素も必要である.と,説いた本.

デザインを論理的に考えて,使い勝手,機能,形態を考えると,確かに使いやすくて素晴らしい製品はできるかもしれないが,そのような製品は,とてもつまらないものになるかもしれない.製品には芸術性,魅力,美しさというのも備わっているべきだと言うもの.

まず,美的に魅力的な製品を使うことで,仕事の効率があがるということが実験的にわかっている.

たとえば,私の経験に当てはめてみると,車を洗車した後は良い気分で運転ができる.本来,車なんてものは移動するための道具であるから,居住性が運転に影響することはあっても,外見は使い勝手に影響しなさそうであるのに,美しいもののほうが運転が気持ちよくできるのである.

この本では,思わずほしくなるような,感情に訴えるデザインについて分析を行っている.

実際に,インタフェースをデザインするときには,使い勝手は大事であるけれども,人が使う以上「美しさ」にも気を使う必要がある.と,まぁそういう本.

追記:私のイメージに近いことを,すごくわかりやすく書いておられる記事を見かけたので勝手にリンクしてみる.「最適化」を「ユーザビリティ」と,「ブランディング」を「美しさ」と置き換えてもらえば,意味が通ると思う.

Web制作の近未来像

しかし,ユーザビリティはある程度は定量的に評価できても,美しさとか,楽しさを定量的に評価するのって難しいなぁ….

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